少し前ですが、
『フラッシュメモリーの記憶容量が1000倍になる新材料』
なるニュース記事が話題になってました。
1000倍ですよ!1000倍!!!!
2018年での、microSDの最大容量は512GB
1000倍ということは、、、512TBの容量のmicroSDが可能になるということ。
いやいや、1PB(ペタバイト)も見えるレベル。
ペタバイト
ペタバイト (petabyte) はデータ量やコンピュータの記憶装置の大きさを表す単位である。PBと略記される。
ペタバイトは2^50= 1,125,899,906,842,624(約1,125兆)バイトであり、1,024テラバイトである。
今のHDDなんてゴミに思えるほどの大容量を、1cmちょっとの大きさの媒体で持ち歩くようになるんですよ。
恐ろしい時代になりそうですね。
ニュース記事の詳細など
フラッシュメモリーの記憶容量が1000倍になる新材料
広島大学大学院理学研究科の西原禎文准教授らは、市販の不揮発性メモリーに比べて1000倍以上の情報を収納できるフラッシュメモリーの開発につながる分子を発見した。内部に空洞があるカゴ状の分子を使い、情報を記録するメモリーとして機能することを突き止めた。フラッシュメモリーなど記憶装置の大容量化・小型化が期待される。
分子内部の電気的な偏りを利用し、1分子だけで情報量の基本単位である1ビットを示せる分子の発見は初めて。従来は数万個以上の分子を並べ、分子が互いに作用しなければ情報を保持できなかった。
西原准教授らは、すでに作製されていたタングステンや酸素、リンの原子から成るカゴ状の分子が情報記録材料として機能するかどうかを検討。同分子の空洞内にはテルビウムイオンが存在し、その空洞の中心からずれた2カ所の安定な場所のどちらかに同イオンは存在する。同イオンが2カ所の間を移動することで、分子全体がメモリーとして機能することを示した。
(a) ポリオキソメタレートの構造。分子内部に1つのTb3+イオンを含んでおり、その安定サイトが2個所ある様子 (b) Tb3+イオン停止するサイトによって分子分極が反転する様子。分極反転エネルギーよりも低い温度領域では、分子分極を凍結できる(広島大提供)(a) ポリオキソメタレートの構造。分子内部に1つのTb3+イオンを含んでおり、その安定サイトが2個所ある様子 (b) Tb3+イオン停止するサイトによって分子分極が反転する様子。分極反転エネルギーよりも低い温度領域では、分子分極を凍結できる(広島大提供)
絵と解説が加えられてますが・・・ハイ、全然わかりませんw
が、記事の部分を読んでみると なるほど!
1分子で、1bit を記憶できる発見のようで、そうなると 今の集積回路で情報を記憶するのとは根本的に発想が異なる事がわかります。
現在のフラッシュメモリー
ちょっと調べてみると、なんとなく判りそうな記事があったので紹介。
現在の不揮発性メモリーを構造的に図示化するとこんな感じ。
画像引用元:https://www.aist.go.jp/science_town/industry/industry_05/industry_05_02.html
1ビット([0][1])を記憶している部分を拡大すると、こう
画像引用元:https://www.aist.go.jp/science_town/industry/industry_05/industry_05_03.html
※引用した画像の本当の説明は、フラッシュメモリーではないです。図柄でイメージするのに有用だと思ったので利用してありますのでご注意を。
と、見て判るように、1ビットを記憶する部分は、半導体を用いて大量の原子を含む小さな素子として作り上げて、そこに電流や電圧を流す事で情報を記憶しています。
が、今回の発見記事は 上図でいう原子 1つに 1ビット を記憶して残せるような分子を発見したということです。
想像してみるだけでも、ものすごい小さな物体単位に 1ビットの情報を残せる可能性があるということがわかりますよね。
価格は18/8/22調べ
最後に
この発見元が、広島大学 ってことが、物凄い親近感を感じてしまうのですよね。
すぐ近くにあるんですもの!
そして、ものすごい発見で、コンピュータの世界を一気に変えてしまう可能性もひしひしと感じます。
が、、、実情は、分子の発見 でしかないということ。
実際に実用化するには、この発見分子をどう 制御するのか?といった 集積回路に組み込むための技術研究が必要です。
そして、情報がどれだけ正確に残り続けるのか?の検証や研究もこれからといった所。
さらに、大容量を入出力に使うためのインターフェイスも 今のUSBでは役不足でしょうね。
未来にものすごい可能性が生まれたと共に、実用化という現実を考えると・・・果たして10年後程度で製品化できるのか? も、個人的には無理なのではないかなぁといった印象も持ってます。
脳に埋め込むパソコン。コンタクトレンズ型パソコン。
なんて可能性も秘めた発見だけに、今後の続報が気になる情報だと思いました。